YUSUKE TAKIZAWA
PORTFOLIO
原料仕入れ ▶︎ 煮沸 ▶︎ ちりより ▶︎ 打解・叩解 ▶︎ 染色
楮、三椏、雁皮といった和紙の原料以外にも、針葉樹や落葉樹のパルプ、コットン、麻などを使用しています。
和紙の原料は洋紙の原料に比べて繊維が長い。そのため強度が強くなります。また、手で触った時の和紙独特の感覚は、繊維の微細な凹凸の感触を感じるからだと思います。
洋紙の原料は、繊維が短い。そのため、和紙に比べて平滑性が上がり凹凸のない表面になるため、鉛筆やペン先で繊維が引っ掛かかり毛羽立つ事もありません。洋紙がプリンターに通せて、和紙は通せないのもこのためです。
それぞれ特徴があり、どのような紙にするかで原料を使い分けたり、配合しています。
03.煮沸
炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどでペクチン、リグニン等の不純物を取り除きます。
濃度が濃すぎたり長時間煮過ぎたりすると、繊維が脆くなり、本来持っていたはずの紙の強度が低下します。
逆に不純物を多く残してしまうと、乾燥後、紙の腐食を早める原因になります。とても大事な作業です。
04.ちりより、叩解・打解
ちりを手作業で取り除く。その後、繊維を叩き、繊維を毛羽立たせ(フィブリル化)、繊維同士が絡みやすい状態にします。
和紙が丈夫で長持ちすると言われる理由は、これらの作業を通して、紙中の腐食要因を出来る限り取り除き、本来繊維が持つ強度を出来る限り保たせているからです。
05.染色
必要に応じて染料で色染めをします。主に直接染料を使用しています。